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AIと自動計測ロボットによるRC構造物の非破壊検査システムのページです。
AIと自動計測ロボットによるRC構造物の非破壊検査システム
概要
建設後50年以上を経過する道路や港湾などの既存インフラが急増しており、効率的な調査・点検が急務となっています。従来は検査員の経験や判断に依存する点検方法が多く用いられてきましたが、近年は熟練検査員の減少が大きな課題となっています。また、従来の非破壊検査ではコンクリート表面付近の空洞は検出できるものの、ひび割れを含む部材内部の健全性まで評価することは困難でした。
本システムは、こうした課題を解決するため、小型加振器を用いた微振動計測とAI解析を組み合わせることで、RC構造物の内部異常を客観的かつ効率的に検知・特定します。
※技術評価・特許
土木学会 AI・データサイエンス論文賞受賞(2025年)
特長
事前データのない構造物でも劣化傾向の把握が可能
従来の機械学習(AI)は、事前に対象となる構造物の学習データを大量に用意しなければ実用化できない点が課題でした。本技術は、典型的な構造物データやシミュレーションデータ等で構築した初期AI(学習済みオートエンコーダ)を用いるため、事前の現地学習を行わない状態でも、劣化傾向の把握が可能です。
現地データによる追加学習で、現地仕様AIへカスタマイズ
計測を進めるプロセスの中で、AIが「その現場における健全なデータ」を分離し、現地仕様へと追加学習(転移学習)を行います。これにより、対象とする構造物ごとの形状や固有の環境特性にカスタマイズされ、疲労損傷などの部材内部の異常を高い精度で検知できるようになります。
構造物の複雑な形状に惑わされない再現性
部材の形状が複雑な場合、弾性波の反射・回折・干渉等によって周波数特性が複雑に乱れるため、従来の振動検査では解析が困難でした。本システムは、特定の周波数ではなく「周波数スペクトル全体の変化」をAIが一括して捉えるため、複雑な形状の部材であっても客観的かつ再現性の高い異常検知を実現します。
●AI解析「オートエンコーダ」の仕組み
1. 「健全な状態」を学習
あらかじめ、損傷の無いコンクリートから得られた振動データをAIに学習させます。
2. データの再構成
現地で計測した振動スペクトルをAIに入力すると、AIはデータを一度圧縮したのち、学習データを基に元の形へと復元(再構成)しようとします。
3. 再構成できなかった分を「異常度」として算出
健全箇所:学習済みの特徴に類似しているため、AIが入力データをほぼ元どおりに再構成できます。
損傷箇所:学習していない特徴を含むため、AIがうまく再構成できません。
この「元のデータ」と「AIが再構成したデータ」の差(誤差)の大きさを、「異常度」として評価します。
計測対象のRC構造物
健全な部材
損傷した部材
自動計測ロボットでのAI解析


適用が期待される分野
供用年数の長い既存施設の劣化調査だけでなく、新設時の施工品質の確認にも活用が期待できます。
港湾施設:桟橋の床版や梁
道路施設:橋の床版
建築物:倉庫や工場の床、壁面

